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SIDE SLIDE COFFEE
環境光の移ろいに敏感に反応する空間。
1900年代初頭に活躍したデンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイが同一の部屋を異なる日時に描いたと思われる2点の絵画をリファレンスし、環境光の違いによって変化する、空間に漂う色彩に注目した。
店名に冠された”side slide"は、ストリートカルチャーのスラングで「唯一無二」という意味を持つ。
唯一無二性を空間で表現するために、表面 的には全く異なる文脈から、その構成根拠を探すことを試みた。
日が昇り、沈むまで変わり続ける空の色。季節によって異なる草木や雪などの外部のエレメント。それらが放ち、反射する光が環境光として店内に流れ込み、刻一刻と壁や床の色に影響を与え続ける。この、どんな建物でも日常的に繰り返される変化を強調し、昨日と今日の体験の間に生まれる僅かな差異が強まれば、この場所ならではの唯一無二性となり得るのではないか、という仮説を立てた。
光のほとんどを反射し、わずかに吸い込む灰色。
この色を日塗工番号N-77と定義し、EP、カチオンタイト、リン酸塩処理を施した鋼板などを用いて明度を揺らがせながら空間をまとめ上げた。そして、各素材の平滑度や粒度、コテや傷、繊維の流れる方向を管理し、時間ごとの反射率の違いによる可視光の変化を誘発した。

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