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PSアトリエ

「未来のオフィス像を考えてほしい」——そんな社長のひと言から、プロジェクトは始まった。声をかけたのは、まだ就職前の芸工大の学生たち。彼らとともに、これから働く世代にとって心地よい場を考えていった。

メインスペースに間仕切り壁はなく、床のレベル差によって、オフィスとショールームを兼ねるユーティリティエリアが棲み分けられている。
ひと繋がりの天板を分け合って使う、大きなワークデスク(L4500xD1800)や、スタンディングスタイルのミーティングデスク、窓際に設けたフリーアドレスカウンターを配置し、導線や視線、居場所の流動性を高める構成とした。

天井は既存の仕上げ材のみを撤去し、軽量鉄骨の天井下地や配管、発泡ウレタンの断熱層をあらわに。PSの放射式冷暖房も、空間をゆるやかに仕切る要素として組み込まれた。粗野な構造と洗練された設備が一体となり、次代のオフィス像を示す創造的な空間に姿を変えた。

壁掛け型の製品が設置された壁の一部は、学生たちによる左官仕上げ。宮城の名工、左官の今野 等氏のレクチャーのもと、ワークショップとして施工した。左官材は、宮城県の砂と土を主材に調合されている。その塗り跡の揺らぎには、試行錯誤の跡や、素材と向き合う素直な時間がそのまま留められている。

アトリエのように、試しながら考えていく。そんな場所として、このオフィスは日々、変化しつづけている。

PS株式会社

deta

2022年

宮城県,仙台市

credit

施工 : アトリエセツナ

写真 : 根岸功

設計補助 : 秋本美鈴,佐々木遥香,重山景周,中森幸二
     (東北芸術工科大学 渡邉研究室)

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