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美容室アオヤマ

地域に長く親しまれてきた美容室を、誰にとってもより使いやすく、居心地のよい場へと改修することを目的としたプロジェクト。

設計に先立ち、この場所のあり方について芸工大の学生も交えて検討が重ねられた。オーナーの「次の世代につなげたい」「この場所のあり方を考えたい」という意志のもと、多様な視点で構想が深められていった。

顧客層は、足の上がらない高齢者から小さな子供と一緒に訪れる母親など幅広く、空間の構成や動線にはそうした多様な利用への配慮が求められた。さらに、店舗の前に広がる公園の存在も、この場所ならではの特徴のひとつであり、どのように空間に取り込むかが課題となった。

店内には、客同士の距離を生み、目線を誘導する複数のパイプが結界のように点在し、それぞれが手すりや鏡の支柱など、異なる機能を兼ねながら空間を構成する要素となっている。その配置は、公園の植栽や境界のスタディから導かれたもので、場所の特徴を空間に引き込む役割も果たしている。

多様な人が行き交うこの場所に、公園のような開かれ方と、穏やかな居処の両立を模索した試みである。

美容室アオヤマ

deta

2024年

山形県,山形市

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施工 : ユメデンコウ

写真 : 根岸功

設計補助 : 遠藤千里
     (東北芸術工科大学 渡邉研究室)

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