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大沼酒造応接室
宮城県村田町で、正徳二年(江戸時代中期)から続く酒造の敷地内に建つ蔵を、来客を迎えるための応接室/試飲室として改修したプロジェクト。
空間の中心に据えた大きなカウンターと吊り下げた天井によって、深い対話が生まれる場を構成した。
エントランスを入るとすぐに現れる細く長いアプローチは、村田町に点在する小道を想起させる。このアプローチを、外が中へと緩やかに切り替わる導 入として計画してた。カウンター上部に低く浮かせた天井が、視線の拡散を抑え、場を共にする者同士の親密な空気をつくり出す。
間仕切り壁と天井には藁を混ぜた土を用い、カウンターには目の細かい土を含む左官を施した。乾いた粒子が不均質に広がる表情は、光を鈍く吸い込み、蔵が蓄積してきた空気感と共鳴する。
素材の粗密、そしてボリュームが織りなす凝縮とゆるみ。そのあいだに滞留する間合いの濃度の違いが、所作や関係のあり方を、流動的に変化させる。
有限会社 大沼酒造店

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