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土間のある家

このモデルハウスは、和の要素を現代の住空間に取り入れることを目的として設計された。建物の中心には東西方向に長い土間を通し、内外の移動や生活動線に中間領域を設けている。

仕上げには左官、鉄、木を用い、左官壁から張り出す薄い鉄板の棚や結晶塗装を施した家具の脚部など、質感や粒度を揃えることで空間全体に統一感を与えた。家具はオーク材や木製ルーバーを用いた造作で、寸法や配置を細かく調整し、居住空間としての機能性と落ち着きの両立を図っている。

設計の根底には「日本人が安らぎを感じ、のびやかに生活できる住宅とは何か」という問いがあり、光の取り入れ方や内外の関係性、格子・黄土・鋳物など古来の日本家屋の要素を現代的に反映した。さらに、茶の湯の思想や茶器のフォルムから得たインスピレーションを素材選びや配置に活かし、空間全体に散りばめている。

象徴的な要素として厚さ6mmのキッチン背面の飾り棚を据え、内部空間の素材感や造形と家具を有機的に結びつけることで、濃密な調和を目指した。

株式会社 ウンノハウス

deta

2020年

山形県,東根市

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施工 : 株式会社ウンノハウス

写真 : 根岸功

 

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