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スパイスキッチンDAIDAI
もともとスナックとして使われていた物件を、スパイス料理を提供する食堂へと改修したプロジェクト。
既存の建物が持つ親しみやすい佇まいを活かしつつ、街に開かれたやわらかな場所を目指した。
通りに面した大きな窓は、既存の木枠サッシを活かしながら、室内からの光を受けて印象的な存在となるように設え、全体のバランスを整えている。ガラス面に描かれた植物の線画は、アーテ ィスト・古田和子氏によるもので、空間の表情に瑞々しさを添えている。
この空間の印象的な部分である大きなカウンターは、調理の手元が自然に見え、会話が生まれやすい奥行きを持たせたことで、厨房と客席のあいだに心地よい距離感をつくっている。
壁面には、「野菜は土からできている」というメッセージの隠喩として、土を藁を混ぜ合わせた左官仕上げとした。左官の監修のもとDIYで仕上げたこの壁は、多くのひとの手が入ることで、独特のゆらぎと温度感を得た。
床はスナック時代のタイルを自分たちの手で剥がし、下地をそのまま活かして染色後にクリア塗装で仕上げたもの。並ぶ椅子も店主の手によるもので、手仕事の積み重ねが、この場所ならではの質感に重みを加えている。
土の肌理や木の手触り、窓辺の光が日々の営みと交わることで、素朴でしなやかな食の風景が、街のなかに少しずつ定着していく。
スパイスキッチンDAIDAI

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